足元にある良いものを探し、身近な「文化」の価値を見つけることが大切。
山の恵みを受けているものとして、やはり最近の異常気象は気になるところだそう。
「気候が変わった。気温が変わった。旬が変わった。
森は針葉樹ばかりになり見た目は綺麗かもしれないが、山に人が入らないので、山が荒れている。
下草もはえない杉林ばかりになり山崩れが起きややすくなっている。
安い海外産の材木に押されて、建築に日本の木は使われなくなって林が「経済林」でなくなり、経済と山の自然が切り離された。
今では国の政策で荒れた山を綺麗にすることをやっているが根本的な解決にはならない。」
市役所時代からこの問題には長く取り組んで来たという谷口さん。
今後は獣害に強いよもぎの栽培を山岳地でも行うことで、山に人が入る仕組みを改めて作っていきたいそうだ。
「活動を始めて5年。久次郎を通じて、「天領いぶき大根」「久次郎の伊吹そば」「いぶきよもぎ」という、3つのブランドができつつある。
それは私が5年かけて作ったのではなく、この土地に受け継がれた今までの歴史と文化があったからこそ形になったものだと思う。」
「人間が次々に新しいものを生み出す、いわゆる「文明」というものには派手さがある。
もちろん次々に新しいものを世の中に送り出すことは素晴らしいことだけれど、私は「文明」よりも「文化」を発信したい。
「文化」はそう簡単には作れないし、古ければ古いほど価値がある。伊吹地域には大根やそば、よもぎなど古くからの文化が根付いていた。
「文化」に気がつくためには足元の良いものを探し、身近な「文化」の価値を見つけることが大切。」
と谷口さんはいう。
「みやまものがたりは理念でつながっている団体。
琵琶湖の源となる大きな湖北の山々を理念でつなぎ、一人でも多くの方に山の恩恵と大切さを知ってもらいたい。
そのためには団体に寄り添うのではなく、個々のメンバーが努力し光続けることが大切。」
谷口さんの考える「みやまものがたり」とは、生産者が中心となり、山で暮らす生活者を巻き込み、新しい発信の仕方で「山の文化」を現代にマッチングさせようとしているのかもしれません。
その活動こそが、次の文化へ繋がると信じてー。
久次郎
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